第2章 別れ×再会
あれから桜と連絡がとれなくなった。
あの時の友達に何度か声をかけて
桜の近況を聞いてはいた。
でもある日その友達から聞いた言葉で
俺は頭が真っ白になった。
臣『今…なんて…?』
亜由『桜…実はかなり前に引っ越したの…』
固まる俺の代わりに那智が続きを聞く…
那智『引っ越したっていつだよ!』
亜由『あの事件から1週間くらいしてから…』
那智『ってもう1ヶ月以上経ってるじゃねーか!』
亜由『だって、桜に黙っててって言われたから…』
那智『だからって…』
亜由『あの子携帯変えたみたいで…
引っ越す時にまた必ず連絡するからって…』
俺はやっとの思いで声を出した…
臣『でも何日か前も電話かけれたのに…』
亜由『少しの間は前の番号のを切らないって言ってたから…でもやっぱり心配で昨日かけたらもう繋がらなくて…』
その言葉に俺は桜の番号を呼び出した。
そして聞こえてきたのは無機質な機械音だけだった…
臣『なんで…』
絞り出すように言ったその言葉に
桜の友達は言葉を続けた。
亜由『これも黙っててって言われたんだけど…』
那智は言葉を返す。
那智『なんだよ!』
亜由『あの事件の後学校中にいろんな噂が流れて…』
臣『噂って…?』
亜由は少し言いずらそうに話始めた。
亜由『桜が訳の分からない奴に乱暴されたとか…実は悪い仲間とつるんで悪い事をしてるとか…』
臣『!?』
俺はおかしくなりそうだった…
アイツの…
桜が見せたあの時の笑顔が浮かんできて
涙が止まらなかった…
身体もぼろぼろで涙を見せながら
必死に微笑んだアイツの顔が
最後なんて…
那智『おい…臣…』
臣『………』
俺はきっと抜け殻状態だったと思う…