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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第8章 理解が困難なアイツと私






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空には夕焼けが広がり。
班長に頼まれて、次回の壁外調査で乗る馬の様子を見ていたら。

遠目から、こちらに向かって、歩いてくるジャンが見えた。



気付かれないようにコソコソと、馬小屋の奥へ逃げ込もうとする私の心境を、微塵も知らないヤツは、まるで「逃がさない」とでも言うように。

さも当然かのように。

普通だとばかりに、聞いてきた。



「今日はどうする?」

「どうもこうもしないわよ。寝る。」



口から出したのは、キッパリとしたお断りの言葉。



よし。
私は断った。

酔っ払ってないから、もうその手には乗らないぞ。



と、意気込みつつ、馬小屋を見渡す。



あ。あっちにいる馬の餌、少ないな。
補充しておかなきゃ。



なんて考えていたのも束の間、強く肩を引かれ、身体が180度スピンした。

……かと思うと、目の前には夕陽の逆光に照らされる、ジャンの姿。



胡散臭いくらい爽やかな笑顔に、もはや嫌な予感しか、しない。



「じゃ。終わったら飯持って行くから。」



ちょっと待て。
だからね、何で決定口調なわけ?!



ジャンのマイペースっぷりには閉口してしまう。



眉を寄せる私とは全く対照的に、柔らかく笑うこの男。



普通なら、「優しそうな人ね」と言われてもおかしくはない表情だろう。

少なくとも、悪い印象なんて与える事は、ないと思う。



が、私にとっては、その笑みが、何よりも胡散臭くて恐ろしく感じる。



また、あの悪魔の餌食になってしまう……

そんな予感。



そして、それはきっと、外れてはくれない、予感だ。



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