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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第7章 ワナにハマった俺のせい?






「あ、あの、えっと……。」



……何だよ。

何が言いたい?



怪訝に思いながらも、その様子をじっと見ていれば、美咲はあちこちに視線を彷徨わせ、小さな手をもじもじと動かし、口を閉じたり、開いたり。

何かを言いたそうにはしているが、どうもその先は、出て来ないようだ。



あたふたする美咲なんか、普段見慣れねぇからか、何とも可愛らしい。



俺はまた、ふっと笑った。



「……面白れぇやつだな、お前。」

「え?」



ぽかんとしている美咲に歩み寄り、その頭に手を乗せた。

まだ“?”を浮かべている彼女の耳元で、ソッと囁く。



「解散が早かったら、今日も来る。」



そう言った途端、彼女はサァっと顔色を変えて。



「え、ちょっと……。」



慌てたように、俺に反論しようとするのを遮って、にっこりと微笑んでやる。



「昨日出来なかったし、今日はいっぱいしよう、な?」



言うだけ言って、部屋を出た。

この状況は、あの日の朝に非常に似ていて。

美咲が追って来る気配はなかった。




……絶対に、逃がさねぇ。



眠る前の、まどろんだ時間も。

抱き締めた腕の中の、体温も。

寝起きの無防備な、その顔も。



全部。



全部、俺だけのモノだ。



これが歪んだ表現だということは、理解していた。

他に、もっとマトモな方法だってあっただろう。



ミカサのように真っ直ぐ追いかけたり。

コニーやサシャのように、馬鹿正直だったり。



でも、俺には出来ない。



もう、遅い。



俺は、美咲が確固たる意志を持つ前に……

そう。
戸惑って対処出来ずにいるうちに。

俺と一緒にいることを、“習慣”のようなものにしてしまおうと、考えていた。



美咲が気付かない内に。

俺を刷り込んでやる。



絶対に、逃してなんか、やらねぇ。



静かな廊下を歩き、朝日が眩しくなっていく中。

俺は決意を新たに、部屋に戻った。


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