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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第17章 ※アイツの約束あの人の秘密


[美咲side]




雨が屋根を打つ音。

瞼越しに感じる、淡い光り。



カタン。

小さな音が室内で聞こえ、気怠い身体に少しだけ、力を入れてモゾモゾと動かす。



「……ん。」

「なんだよ、起きたのか。」

「…………。」



私のものではない声。

このタイミングで、この部屋にいるやつなんて、一人しかいない。



ゆっくり起き上がり、重い瞼を擦りながら目を開くと、ジャンがズボン一枚で、机の前に立っていた。



「ちょっ……何その格好?!」

「何が?」

「服っ!着なさいよバカ!」

「はぁ?今更だろ。……つーか、それを言うならお前もだ。」

「へ?」



呆れ顔のジャンの言葉に、自分が来ている服を即座に確認。



そう言えば、ロンTだけで寝たんだった。

少し長めとはいえ、お尻が隠れるくらいの丈。

自分じゃ着る体力がなくて、昨夜確か、ジャンが着せてくれたような……気がする。



ジャンの視線に耐えきれず、ギリギリまで袖を引っ張って、何とか足を隠そうと試みる。



「ぶはっ!隠れてねぇよ!」

「う、うるさい!」



ケラケラ笑うジャンを横目に、床に落ちているであろうズボンを、慌てて探す。

……早く履かねば。



部屋着の薄い生地のズボンをひっ掴み、即座に足を通した。



ジャンが、思いっきり吹き出した顔を思い出して、自然と顔が引き攣る。

何だかジャンには、間抜けなところばかり見られているような気がする。



ジャンに視線を戻すと、何故か机の上には、二人分のスープが乗った器。

まるで自分の部屋かのように、椅子に偉そうに座っているコイツは……



「……って言うか、なんでいるの?」



思わず口に出てしまった言葉に、ジャンが振り返る。



「あ?」

「部屋に戻って準備しなくていいの?」



まだ外は薄暗いけど、いつもならとっくに帰っている時間だ。

今日も調査兵団の仕事はあるし、時計にチラリと目を向けると、あまり余裕はないように思える。

普段通りなら、焦ってもいい時間のはず。



なのに、準備を急ごうともしていないジャンに、違和感を抱いた。



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