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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第14章 ※お前のウソはダレのせい?


[ジャンside]



コニーが街へ出ようと言う誘いを断り、美咲の部屋に行く勇気も出ず、ただ一人で苦々しく過ごしただけの休みが終わった。



休み明けの今日。

ハンジさんの仕事が落ち着いたからと、壁の工事に加わった美咲の機嫌は、すこぶる良かった。

それは、自分に任された仕事がひと段落したから、という類いのものではないと、彼女の浮かれているような雰囲気で分かる。



休みに入る前の、あの夜。

一体何があったのか……
考えたくはねぇが、おそらく“あの人”が絡んでいるんだろう。



この前まで、何か考えるように険しい顔してたっつーのに、何だよ、その変化は。

俺が何したってそこまで機嫌良くなんねぇクセに。

つーか、俺がこんなにもモヤモヤした気持ちでいるっつーのに、お前は随分と楽しそうだなぁ、オイ。



なんて、彼女からしてみれば、関係のない苛立ちを上乗せして。

あまりに顔色の良い美咲を見ていたら、つい、口を出したくなってしまった。



「……何だよ。やけにご機嫌だな。」

「へ?」



俺の問い掛けに答えた美咲の、間の抜けた声に、頬が引き攣る。



「顔、緩んでるぞ。何かあったのか?」

「え?べ、別になにもないよ?」



本当に何でもない、というような素ぶりを見せる、が。

……ハッキリ言って、それで誤魔化せると思ったら大間違いだからな。

嘘が下手すぎるだろ。



「ふーん……。」



俺は、目を細めて、ガチャガチャと忙しなく機材を動かしている美咲を見た。



逆に美咲は目をそらす。

その動作がぎこちない程ゆっくりとしていて、おかしさを助長する。



いや、不自然だろ。それ。



とはいえ、今ここで問い詰めたところで仕方のない事。

気を取り直した俺は、近くに誰かいないか確認し、今晩の予約を取り付けにかかる。



「ま、後で聞くとするか。パンは飽きたし、街でライス系でも買ってくる。」

「え?……今日、来るの?」



即座に帰って来たのは、拒否を匂わせる返答。



ギリ。

思わず奥歯を噛み、自分の顔が歪んでいくのを、止められはしなかった。



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