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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第13章 私の誤解と憧れのあの人






「随分と大変だっただろうな。ハンジの世話は。それに、シガンシナ区に向かうから、期限付きと来たもんだ。」

「あー……そうです、ね。もう、記憶もぼんやりですけど。」



苦笑いで返すと、リヴァイ兵長は片眉を下げて笑った。



「……フッ。あまり引きずらねぇタイプなんだな。」

「そ、んな事ないです。」



嘘を吐くこともないと思ったから、素直に本音を返した。



私は、引きずっていた。ずっと。

リヴァイ班に入れてもらえなくて悩んでいた事を、この人は、知らない。

けど、それを憧れのリヴァイ兵長本人に尋ねるつもりも、ない。

だから、リヴァイ兵長からも認めてもらえるように、私には頑張る道しか残ってないのだ。

私がやった事を、認めてもらえさえすれば、いい。



「……ほう。じゃぁ、プライベートでも引きずるタイプなのか?」

「え……」



思いもよらない方向からの攻撃に、口篭ってしまう。

しかも、私の瞳の奥を伺うように、リヴァイ兵長が覗き込むような視線を送るもんだから、咄嗟に目を逸らした。



「……悪い。野暮な質問だった。」

「いえ……。」



プライベートでは、そんな事ないです。



そう答えれば良かったのに、出来なかった。

だって、それが“事実”だから。



リヴァイ兵長が、全く私に寄り付かなかった。という、ただそれだけの事を。



気まずい空気を出すのもどうなんだ。と思いながらも、いたたまれない気持ちになってしまう。

私が勝手に、気にしているだけだって言うのに。



「……次も紅茶でいいか?後、そろそろちゃんとしたもの食わねぇとな。」

「え?……ぁ、はい。」



突然切り替えられた話題。

私の表情から、そうしてくれた事が分かった。



……やっぱり、大人だなぁ。



「パンには飽きてるからな……ライス系でも頼むか。」

「……そ、うですね。」



そうだ、せっかく一緒に美味しい御飯を食べに来ているっていうのに。

このまま沈んでいても、仕方ない。



私は気を取り直し、リヴァイ兵長と一緒に、メニュー表を眺めた。



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