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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第13章 私の誤解と憧れのあの人


[美咲side]



「美咲、ちょっといいか?」

「あ、はい!」



私を呼ぶモブリットさんの声。

すぐに返事をし、両手いっぱいに資料を持つ彼に駆け寄る。



「壁の工事資料の件だけど、美咲にもひとつ手伝ってもらいたくてさ。」

「分かりました。でもすみません、さっきハンジさんに資料頼まれてしまって。」

「そうか。いつならいける?」

「んー…、一時間半後、私から声掛けます。」

「ん。了解。」

「すみません。」



ペコリ。頭を下げて、その場から離れる。

とにかく早く戻って、さっきのハンジさんから指摘されたやつの修正をしなくちゃ。



元いた場所に戻り、すぐに資料を手に取った。

エルヴィン団長が中央憲兵から聞き出した内容を、ハンジさんが分析し、図面にして作ろうとしている、新しい槍のような武器。

数多い資料を分け、見やすいように並べ、纏めていく。



……ああ。

作業場が汚い。

片付けたい。
けど、そんなヒマ、ない。



あった、これだ。

……と、忘れない内に訂正し、ハンジさんが言っていた案を書き込んでいく。



一介の兵士がする事じゃないような気がしなくはないけど、これに加わっている事で、自分もこの調査兵団の一員なんだと、深く実感する。



はぁ。とひとつ溜息を吐くと、作業スペースの入り口から声が聞こえた。



「お前、大丈夫か?」

「……ん。大丈夫。」



目を向けると、入り口部分に右手を付き、軽く笑うジャンの姿。



ジャンの労わりの言葉に、苦笑い。



いつも通り笑ってはいるけど、僅かに疲れの見えるジャン。

疲れてるのは、お互い様、か。



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