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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第12章 ヒトリの夜は誰のせい?





はぁ。

大きく溜息を吐いて、パンを一口齧る。
そしてまた、溜息。



さっきっから溜息ばかりだ。



溜息を吐くと幸せが逃げる。とか言うなよ。

だったら俺の場合、猛ダッシュのミカサばりの速さで逃げられているって事か。

しかも、現在進行形で。

……って、何どうでもいい事ばっか考えちまってんだか。



ただ一人で飯を食う。

味気のないパンは、普段よりも更に味気なくて、一人で飯を食う事が、こんなにも寂しいとは、思いもしなかった。



一人の夜は長く、気温が冷え込んでいるように感じる。

自然と、心の中で、彼女を読んでいた。




なぁ、美咲。

お前今……

何してんだ?



ぼんやりと思い浮かんだのは彼女の笑顔。



こんな時に、何で。

と思いながらも、癒されて。



胸が押し潰されるように痛くなり、シャツの胸の部分を強く握り締める。




美咲……



お前がいないと、夜はこんなにも寒くなっちまうんだな。



自分から出たとは思えないほど女々しい思考に苦笑して、俺は手にしていたパンを頬張る。




側にいられる時間を期待していた分だけ、一人の夜は切なさを増していくかのようだった。



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