• テキストサイズ

【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第10章 揺れた瞳はダレのせい?


[ジャンside]



事は、思惑通りに進んでいた。



昼間の、任務外の空いた時間に自然と話すようになった。

そして、美咲の部屋へ行く事も増えた。



最初こそ無理矢理上がり込んでいたが、その内慣れたんだろう。

美咲は、俺が手ブラで来ても、自ら食事の用意をしてくれるようになった。



時には、俺が街へ出て、配給以外の食い物を買って行く事もあった。

興味深そうに店の名前を尋ねて、美味しそうに飯を食う美咲を見ているのは、かなり気分が良かった。



そして、彼女は抵抗する事を、諦めたようにも見えた。

何を言ったって、俺が引かない事が分かったんだろう。

抵抗しても無駄だと、どこかで気付いたのかも知れない。



そうやって、じわじわと、美咲と過ごす夜に、変化を刷り込んだ。



二人で同じモン食って、くだらねぇ事でバカ言って、楽しく会話して。

そして、触れる。



触れるっつっても、毎回全てを求める事じゃない。

ただ抱き締めて眠るだけの日もある。



さすがに「いつでもどんな時でも抱かせろ」なんて事は言わねぇよ。

抱き締めて眠るだけでも、心が満たされるっつー事は、十分分かってるし、な。



それに……

毎回触れていたら、“身体目当て”だと思われそうで怖かった、つーのも、ある。



いや、身体で縛ろうと決めた俺が、何言ってんだ。

と思うだろうが、そんな矛盾が勝手に自分の中に生まれてくるもんだから、こればかりはどうしようもねぇ。



そして、最終的に、それを実行する権利は、完全に俺が握っていた。



夜を一緒に過ごす事が普通になって。

お互いに触れる事が、普通の事になってしまえば。



俺が隣にいる事が、美咲にとっての“当たり前”になると、信じていた。


/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp