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【HQ】サンカク。

第1章 三角形 case1


席を立ち、更衣室に向かう。
着替えを済ませた頃に、携帯が振動した。

構って欲しくてやってる自覚はあるけど、今は喋る気にならなくて無視をする。

一度切れても、また着信。
2人から交互に、何度も電話が掛かってきた。

電源を切れば済む話なのに、それは出来ない弱い自分が嫌になる。

泣きそうになるのを耐えて、テーマパークを後にした。

独りで自宅まで戻る最中も、着信が何度も入る。
その所為で電池が切れて、強制的に電源オフになった。

私が故意に電源を落としたと勘違いされたら、デート中に勝手に先に帰った上に、連絡手段すら絶った最低さが加わってしまう。

自宅に辿り着くと、すぐに充電をして電源を入れた。

だけど、その頃には連絡を諦めてしまっていたのか、どちらからも電話が掛かって来なくなっていた。

色々なものが崩れ去っていく気がして。
泣く事しか出来なくなってしまった。

やっと泣き止めた頃には、夕方近くなっている。
携帯の着信履歴を見ると、並んでいるのは2人の名前。

それで、また涙が出そうになった時、携帯に着信が入った。
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