第1章 2月14日
「烈、そろそろ時間だ、起きろ」
星夜さんが声を掛けた。
「ん.....。
ありがとう、少し楽になった」
身体を起こすと、大きく伸びをした。
「あ、美織さん。
お疲れ様です」
「はい、お疲れ様です、烈さん」
櫻井烈さん。
生徒会の副会長。
優しくて、気遣いが出来て、仕事も出来る。
凄く素敵な方。
「僕、どのぐらい寝てた?」
「あ?
20分ぐらいだ。
もう良いのか?」
「起こしておいてそれを聞くなよ。
大丈夫だよ」
「具合でも悪いんですか?」
「ただ単に寝不足です」
心配かけてすみません、と苦笑した。
「いえ、大丈夫なら良かったです!
コーヒー煎れますね」
「美織、俺のもな」
「はーい」
「すみません、僕は緑茶でも良いですか?」
「大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
コーヒーとお茶を煎れ、2人に持って行く。
「はい、緑茶です」
「ありがとうございます」
「おい、なんで烈からなんだよ。
普通俺からだろ?ふつー」
「文句言うならあげないよ?」
「そんなんで俺が引くとでも思ってんのか?」
「思ってないけど...」
星夜さんには、このくらいじゃ口で勝てない。