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【黒バス】in your hand【黄瀬】

第1章 中学


きっとバレちゃった

意識してるってこと

それでも涼太は何も変わらない、いつものように笑う
ああ、優しいなぁ
でもそれが逆に苦しかったりする

好きになっちゃうから、もっと

ダメならダメと早く言って欲しい


引き返せなくなるから






テストが終わって部活が再開してしばらく経った
季節は6月、気分が重くなる梅雨の季節だ

ため息

まあ、悩み事もあったりして、さらにテンションが下がる

「なんか、最近、りんっち元気ないっスよね?」
「っ!?」

突然後ろから聞こえてきた声に驚く

今、頭の中で考えていた人の声だったから

「そうかな・・・?」
「悩み事っスか?最近よくボーっとしてるけど」
「・・・」

あんたのことで悩んでるの、なんて言えない

「あれだったら、聞くっスよ!」
「いや、遠慮しとくね」

笑えてるかな、あたし
だってこんなことで悩んでるなんて、涼太に知られたら
それこそいろいろ終わってしまう
恥ずかしくて部活やめることになるかもしれない

涼太は困ったように笑って、あんまり溜め込んじゃダメっスよと言った


「ありがとね、涼太」


悩みの原因にそう返す

誰かに言えるようなものじゃない、さつきにだって
忘れるまで、隠して過ごせば終わる


・・・恋ってこんなに辛いものだったんだ


なんて思って、らしくない自分にため息

あーあ







「さつきー、どうしよう」
「え!?なにどうしたの?」

更衣室、もちろん女子だけ
ていうか現在あたしとさつきだけ。二人っきり

要するに相談し放題だ


「多分好きだってバレちゃった」
「え、なんかあったの!?」
「まあ、なんかあったというか・・・」

意識してる?って聞かれたこと
答えられなかったこと

うまく話せなくなってること、全部さつきに話す

「もー、嫌。どうしたらいいかわかんないよ・・・」



(意識してる?なんてなんとも思ってない人に言うわけないんだけどね・・・)
桃井はちょっと苦笑いする


「正直に言ってみたら?」
「きっと、迷惑だよ。こんな気持ち」

ちょっと泣きそうになる
自分で言ってて、悲しい、辛い

「涼太は優しいからきっと困るよ」

だから余計に好きになっちゃうんだ、あたしは
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