第1章 中学
ゲームセンターについた
なんかゲームセンターというには何か物足りない感じだったけど
とりあえず端っこに置いてあったコピー機に大輝と真太郎はコピーをしに行く
「で、敦のお菓子はどうやったら手に入るの?」
「これで、高得点を出せばもらえますよ」
テツヤに案内されたのはリズムゲームの前だった
「まだ、置いてあるとこあったんスね」
そう言う涼太。呆れ顔だ
「なにこれ、有名なゲームなの?」
敦は全く知らないらしい
「わりと前に流行ったゲームよ。画面の指示に合わせて、床のセンサーを踏むの。ほら、あんなふうに」
さつきは、となりでやっていた小学生の男の子を指差す
「やったことないなー」
「りんもやってみたら?」
「えー、でも自信ないよー」
「でも、りんリズム感あるから大丈夫だよ」
「さつきはやったことあるの?」
「ないけど」
「じゃあ、さつきが先やってよ」
「えー、どうしようかな……」
なんて言ってるうちに、敦が挑戦することになったらしい
お菓子のためなら、頑張るとか、かわいいなあ
なんか、サイズが全然合ってない気がする……。敦、大きすぎ……
「ムッ君!、右!右踏んで!」
さつきとか、テツヤとかが指示を出すけど
敦の反応するスピードは遅くて、まあ、散々な結果だった
バスケしてる時とは大違いだ
あたしがやってもこうなるんだろうから笑えない
「じゃあ、次はオレがやるっスよ」
そう言ってリズムゲームに向かう涼太
かっこいい姿を心のどこかでちょっと期待した
……んだけどなあ
「涼太……」
「きーちゃん、モデルなのに全然リズム感ないのね……」
「初心者にしてもできなさすぎです」
「オレがやったときのほうが、得点高いんじゃない」
なんか涼太のダンス(?)はカクカクしてて、まるでロボットのようだった
「ちょ!なんスか、みんな、酷くないっスか!?初めてやったら、こんなもんっスよ!!」
そんな涼太の抗議には誰も耳を貸さない
敦が思い出し笑いをする始末
「りんっち~」
最終的にはあたしにぐすぐす言いながら抱きついてきた
「ちょ……!?」
「みんな酷いっスよ~」
「でも、あたしもあれはちょっと……」
正直にそう告げると、涼太はパッと離れた
「じゃあ、絶対オレが中級で高得点出してみせるっスから!!」
どうやら意地になってしまったようです