第1章 中学
「りんっち」
後ろから聞きなれた声
「涼太?」
「手伝うっすよ」
「え」
「こんだけの量、一人でするの大変っすよね」
それに桃っち、ちょっと話してたからこれそうにないし
そう続ける涼太に微笑んだ
「ありがとう、じゃあおねがい」
「了解っす」
優しいなあ
少し鼓動が早くなった気がした
先ほどの倍のスピードで全てが終わった
「ありがと、涼太」
「いえいえ」
ついでに、とか言って顔を洗ってる涼太
手伝ってくれたんだから、それが終わるのを待っておく
「あ、そうだ。りんっち」
「ん?」
「実は、今日」
そこから涼太は急に小声になる
「桃っちと黒子っちが一緒に帰るらしいんスよ」
「え!?」
思わず叫んでしまった、どういうこと?
「なんか、赤司っちの命令らしくて」
気にならないっスか?
なんて涼太の言葉に頷く
気になる気になる
「というわけで、一緒に後ついていかないっスか?」
「えー・・・」
それは、いいのだろうか?
さつきの邪魔になったりするんじゃないかな・・・
涼太がボトルの入ったかごを持ってくれる
「じゃあ、校門のところで。あ、ボトル返しとくから」
そう言って涼太はかごを持ったまま行ってしまった
「・・・」
とりあえず早く着替えないと
さつきはもう更衣室にいってるんだろうか
すごいテンション高そうだなー、なんて一人で想像して、笑った