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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第10章 亀裂


『百の家が安心出来ないとか、そういうのは全然思ってないよ。…本能的に求めている場所って言ったらいいのかな』

そう言って暁は百をその場所へ連れ出してくれた。その場所は百にとっては何ともないような場所だったが、暁はとても居心地が良さそうだった。

_もしあそこで敵と会って親しくなっていたとしたら?_

暁は孤児だし、悪用をしようとする敵は少なくはない筈だ。

「お姉様…こんな場所に一人いてはとても危険ですわ。ただでさえ、お姉様の“個性”は狙われやすいのに…」

“もうこの場所に来るのはやめておきましょう”

百がそう告げると、暁は少し辛そうな顔をしてその言葉を受け入れた。

それ以来、百は暁の動向に注意を払っていた。母からも「常に一緒に行動するように」と言われていた。百の付き人替わりでもあり、百が監視すべき対象。

お姉様が敵と疑われるような事があっては耐えられない。

その思いは虚しくも高校入学と同時に打ち砕かれた。

「百、暁ちゃんに敵の疑いがかかっているの」
「、え…」
「警察があの子を出せってしつこくてね…勿論、そんな筈ないって追い返したけれど」

この先、あらぬ疑いがかかるのはまずい。

「私がそんな事させませんわ!お姉様の潔白を証明させて見せます!」

それからは短い時間を使いながら、コツコツと“個性”についての過去の資料を集めてまとめていった。

過去に同じような“個性”の人間が存在すれば、暁はちゃんとした“個性”を持った人間だと証明出来る。

しかし、暁のような類希(たぐいまれ)な“個性”を持つ人間は見つからなかった。

第一、そんな目立つ”個性“なら歴史に残っていてもおかしくはないのに。どこにもいないという事は…

























「裏社会に関与していた…?」

充分有り得る可能性だった。
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