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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第9章 初めての実践


『(黒影君、人懐っこいのかな?)』

近くに寄ってきた黒影君がなんだか可愛らしく見えて、思わず頭を撫でてしまう。

黒影君は触られた瞬間ビクッと怯(ひる)んだが、撫でられている内に安心したのか、されるがままになる。

「おい、黒影。八雲は今体調が悪いんだ。撫でてもらうのはまた今度にしてもらえ」
〈踏陰ノケチー!〉
「八雲のためだ。我慢しろ」
〈暁チャン、マタ撫デテネ!〉

注意された黒影君は少し常闇君に反発した後、私に一方的な約束を取り付けて主の影へ帰っていった。

「黒影がすまなかったな」
『ううん、気にしないで。逆に癒されたから』
「癒された…?」
『こっちの話。…もうそろそろ行こうか。早く帰らないと、相澤先生に怒られちゃう』

その後は常闇君に家の近くまで送ってもらった。見知った顔が近くにいたおかげか、あまり不安にならずにすんだ。

『ありがとう。ここまでで大丈夫だよ』
「そうか…だが無理するなよ。さっきよりはマシなようだが、それでも油断は禁物だ」
『うん。分かった』

私が頷いた事を確認した後、常闇君は別れを告げて来た道を戻っていった。近いうちにお礼をしなくちゃなぁ。

『(帰る途中に連絡先を交換したし、何か好きな物がないか聞いてみよう)』

明日は皆に迷惑かけない、と心に決めながら八百万家までの道のりを急いだ。


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