• テキストサイズ

私の妖精アカデミア【更新停止中】

第9章 初めての実践


「貸して」と言われて素直に従う相手でもないので、問答無用で右腕を掴む。

掴んだ瞬間、彼は一瞬怯んだ。やっぱり負傷してたか…。原因は言わずもがな、今日の戦闘訓練だろう。

『モード《天竜》』

出久君の時と同じように、彼の右腕に治癒魔法をかけていく。最初こそ私の手を振り放そうとしていた爆豪君だが、諦めたのか大人しく治療を受けている。

『…なんでリカバリーガールの所に行かなかったの?』
「…どうしようが、俺の勝手だろうが」

態度こそ大人しいものの、表情は険しい。「先生に頼らない」という彼のプライドか、それとも…

『出久君がいるから、行きたくなかったとか?』
「!…チッ」

舌打ちをする爆豪君。どうやら当たりらしい。
頼る事も大切なのに…そう思いながら治療を進めていく。

『こんな感じかな…今日はもう“個性”を使わない事!…と言うより、普段から控えた方がいいよ。さもないと…手、使えなくなるよ』

この後に出久君の治療もやるので、爆豪君の右腕は応急処置で済ませた。彼も馬鹿ではないし、自分の体の事はちゃんと考えれるだろう。

一応、忠告はした。さあ、次は出久君の所に行かないと…

『腕、お大事にね。それじゃ!』
「…おい」
『?』

私が通り過ぎようとすると、左腕を掴まれた。彼を見上げると、私の目をしっかり睨みつけて、彼は言った。




























「てめーのそれ、本当に“個性”か?」

/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp