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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第19章 うなれ体育祭!!



…でも、個性婚の合理性に関しては納得する部分もある。私の生まれ故郷・蓬莱でも、王家が結婚するのは同じ王家の者か親類だという古い決まりがあった。

“より濃い血を受け継がせる”、“最も優秀な一族の遺伝子を繋ぐ”という名目らしい。そのお陰なのかは分からないが、
現に私は蓬莱歴代の中で飛び抜けて異常な程の魔力を持って生まれてしまったわけだが。

「何してんだ、置いてくぞ」
『!あ、ごめん』

東の国の考えは例え世界が違っても根元は一緒なんだなあ、としみじみ思っているともう1人の盗聴者が先に食堂へと足を勧め始める。

私は急いで後を追った。スタジアムの様子は気になるけど、仕方ない。始まる時までのお楽しみだ。

『ねえ、勝己君の両親は個性婚なの?』
「ンなわけあるか」

軽く頭を小突かれた。聞けばちゃんと愛のある家庭のようで、お父さんの方から猛アタックしたとか。
いいなあ。私が今も想っている“彼”はそんなに積極的ではなかったから、少し羨ましい。

…スティングはアプローチが激しかったけど。凄くド直球なんだよね。言葉も行動も。それが嬉しくなくはなかった自分もいる。

ふと前を歩く勝己君の手を見る。今はまだ痙攣を起こしていないが、多分最終種目をやり終える頃にはもう…いや、もしかしたら途中でドクターストップになるかもしれない。そうなったら、私が_

「…なんも手ェ出すなよ」
『!!』

私の考えを見透かした様に勝己君が思考回路を遮る。

「もし俺が戦えなくなったとしても、それも俺の実力だ。…大体、お前にいちいち治されんのが癪なんだよ」

本当にプライドが高いなあ、勝己君は。誰かが“自尊心の塊”と表現していた気がする。まさにその通りだ。

『…分かった。私は一切干渉しない。でも、私が勝己君の怪我を治したいのは同情とかじゃない』

_全力で来て欲しいの。

そう呟けば、彼は鼻で笑って私を真正面から睨みつける。その挑戦的な目を私は逸らせなかった。

まるでこちらを狙う捕食者の目だった。

_来いよ。俺がその上からねじ伏せてやる。

彼がそう言った気がした。
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