第19章 うなれ体育祭!!
後から来た百に取り付いていた峰田君を追い払っていると、ミッドナイト先生が順位を発表した。私は勿論2位で、百は20位だった。
「一生の不覚ですわ…!」
『まあまあ、よく頑張ったね』
未だに嘆く百を宥めつつ愛龍の名前を探す。すると6位の所に愛龍の名前を見つけた。すぐ上の5位には何と心操君の名前があった。
『…もしかして、愛龍を“洗脳”した?』
「どうかされましたか?お姉様」
『ううん、何でもないよ』
出久君と同じで、彼の“個性”もこの種目に向いていない。けど愛龍を利用すれば確かに上位に食い込める。
「…チッ…あの野郎…」
『あっ、愛龍。お疲れ様、流石だね』
「オレは何もしてねぇよ…したの“あいつ”だ」
愛龍が親指で後方を指すと、少し離れた所に心操君が見えた。彼もこちらに気付いた様子で、手を振れば振り返してくれた。
「…知り合いか」
『うん、友達。彼にやられたんでしょ?』
「んだよ、“個性”知ってたんなら言えよ」
『愛龍には良い薬になるかなーって思って』
愛龍は再び舌打ちをして後頭部をガシガシ搔く。いつもと逆の立場になったから殊更悔しいんだよね。
《さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど〜…何が出るかしら!!?言ってる傍からコレよ!!!!》
─[騎馬戦]
「今度はチーム戦か」
『そして入試と同じP(ポイント)稼ぎ…順位によって違うのか。…私は205Pだね』
「185か。ケッ」
ミッドナイト先生によれば1位は何と1000万Pとの事。逆に1位にならなくて良かったかも。だって絶対周りに避けられる。
「お前はもう避けられてるけどな」
『お黙り』
愛龍の余計な一言を一刀両断しながらチームの組み合わせを考える。
『愛龍、私と組む気は無いんでしょ?』
「さっきは散々手ぇ組み合ったからな…今回はナシだ」
『だろうね。それじゃ_』
また後で、と言おうとしたら両端から来た人物達にそれぞれ片腕を取られる。
「「暁、俺と来い/来やがれ」」
「どけ半分野郎」
「どかねえ」
「てめえの相手してるヒマねえんだよ!!」
…そんなに私という戦力が欲しいか、少年達よ。
私が戸惑っていると、轟君と勝己君は争い始めた。おもちゃを取り合う子供か。