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春の風【銀魂】

第1章 序章


さわさわと風に木の葉が揺られている

暖かい春の日差し

パシッパシッと竹刀のぶつかる音

(あぁ、まただ)

"彼ら"の呼ぶ声がする

「おい、春瑠!そんなとこで寝るなよ?風邪引くだろ」

「春瑠、寝るなら俺のひざに「ふざけ
んなよ、―!誰がてめぇみてーな髪型した奴
の膝になんか寝るか!なげぇ髪が鬱陶しくて
寝れねーよ」なんだと!?―!お前の髪型はく
るくるとふざけた容姿ではないか!そっちの
方が爆笑して寝れんわ!」

「…どっちもどっちだろーが」

「「なんだと!?」」

「けっ、てめぇ春瑠と両想いだからって調子乗ってんな?」

「はっ、負け犬の遠吠えにしかきこえねぇぜ、―」

二人して手に持っていた竹刀を構える

「おい!いい加減にしろ!春瑠を起こしてさっさと教室に戻るぞ!」

そういって私を起こそうと手を伸ばして――



はっ

意識が浮上して目が覚めた

ピーッピーッと警報のような機械音がする

こうして目が覚めるのは何度目か

(今回は男の人と女の人出てこなかったな…)

名前も知らないはずなのに"彼ら"をみていると何故か悲しくなった

バタバタと数人が駆けてくる音がした

バタン!

荒々しく開けられたドアから入ってきたのは

人とはどう見ても見れない生き物

カエルのような容姿だが衣服を着て白衣をま
とっている

「くそっ!あと一歩のところでいつも失敗だ!」

しゃがれた声でそう叫ぶ

「ほぼ記憶を消すことに成功しているのになぜだ!」

「博士、この娘にまだ抗う気持ちが「ええ
い!どれくらいの年月が経っているとおもっ
ておるのだ!」失礼しました…」

「もう一度だ!この娘の記憶を完全に消し、
我が駒にするのだ!」

しゃがれた声を出す天人よりは若いであろう

トカゲの容姿をした天人が言った言葉を遮り

苛立ちを隠せないまま、そう命令し機械だら

けの部屋から出ていった

「もう一度、MCNRを打ち記憶奪取装置を起
動しろ」

トカゲの容姿をした天人が命令を出し

「「はっ」」

それを部下達が従い操作する

もう何度繰り返された事だろう

だが、彼女の体力を奪っているのは明らかだった

(いつになったら解放されるの…?)

そんな思いとは裏腹に彼女はまた深い眠りに落ちていく
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