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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第7章 【桜色】UA チームカンファレンス




二人の生徒が去った保健室は
いつもより一層静寂で満たされた。

ほんの数分前まで
涙を耐え肩を震えさせていた孫同然の少女。
歳の割に大人びた思考を持つあの子を
ここまで追い詰めることが出来る人物など
1人しか思い当たらなかった。


(相澤がなんか仕掛けたようだね…。)


そう思った矢先の出来事だ。

開かれたドアの向こうに居た生徒によって
少女は一瞬で表情を変えた。
出会ってたった3日の男子生徒によってだ。








――そうなるだろう


一昨日
少年がここに来た時点で既に予想は出来ていた。


――やはりそうなったか

昨日の
ミッドナイトの報告によってそれは確信となった。


未だあどけないと思っていた少女が
初めて見せた女の表情。

それを目の当たりにした今
保護者の一人として胸中は複雑なものだ。

あの二人の接触を止めるべきか
悩みつつも黙視に留めた。
いや、忠告と言うべきか…。

自分は相澤と違って
あの子に直接何かしてやることは出来ない。

老婆は自覚していた。
自分はあくまで傍観者を貫かなければならないと。
あの子の拠り所であり続けるために。

しかし…もう必要なくなるのかもしれない。


「拠り所なんざ
必要無いに越したことは無いからね…。」


寂しい
だけどそれ以上に嬉しい。

天秤にかけるまでもない。

半開きのカーテンを開け
もぬけの殻となったベッドを見やる。


「何の因果かと、思っていたんだがねぇ。」


二人が出会った事実を「因果」と呼んだ。

しかし、そんなもの関係ないのかもしれない。
そうであって欲しい。


「お菓子、ちと買い過ぎたかね…。」


老婆の独り言は
静けさの中ふわりと浮かび
差し込む春の光の粒と溶けて消えた。























願わくば――あの子の望む未来を……

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