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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第13章 迷い道


店の前で何本吸ったかわかんねぇ…。
こんもりと灰皿に吸い殻が貯まっている。
まだ帰ってこない。
最悪このまま帰ってこないという不安で頭はパンパンだった。
あんなガキっぽいこと言ったばっかりに…!
頭をガシガシと掻いていると、肩を不意に叩かれた。
「るる!!」
愛しい彼女は無事に帰ってきてくれた。
泣き腫らした目は赤く、柔らかく口許は笑っていた。
「ただいまっ」
「ひどいことされてねーか!?」
心配であちこち傷がないか見るが、特にそれらしい変化もなかった。
「何から話したらいいか、わからないんだけど、全部解決しました…!」
「…よかったな」
わからないとは言っていたが、こっちにはそれで充分伝わった。
もう彼女に脅威はなくなった。
それが何より嬉しく思えた。
もう無理にしなくても、素の彼女でいられることになる。
その存在が確かにるるか確かめたくて、身体を寄せて抱いた。
「……男モンの香水くせぇ」
「あ……最後のハグ、してもらっちゃったから…」
「うぜえー」
「ふふ」
いやそーな声を出すと、くすくすと笑われた。

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