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【A3!】甘いひととき【R18】

第2章  Morning Kiss【至】


 


「…監督。いってらっしゃいのキス…」

「ああ、もう! 真澄くん!
早くしないと遅刻するよ!」

「じゃあなー、監督ちゃん」

「監督先生! 行ってくるッス~!」


いつもと同じ、騒がしい朝――。

バタバタと寮を出て行く皆を
玄関で見送るのが、私の日課だった。


『皆、気をつけてね。
いってらっしゃい!』


今日も 平和な一日になりますように、と
願い込めて、皆の背中に手を振る。


そして――。


「じゃ、俺も行ってきます」


一足 遅れてやって来た 最後の一人が
横を通り過ぎながら、私の頭を撫でる

その瞬間…

バクバクと鼓動が高鳴り
頬の熱が上がるのを感じた。


『あ、あのっ…。至さん…』

「ん? どうしたの?」


ベージュのスーツに身を包んだ
お仕事モードの至さん。

私の呼び掛けに
足を止め、振り返ると
不思議そうに首を傾げて
こちらをじっと見つめてくる。


 
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