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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第5章 Sugar5


流司さんのせいで、声が漏れてしまう。


抑えたいのに、腕も一緒に抱きしめられて、なにも出来ない。


焦げちゃうよ・・・。


「流司さんだめ・・・離して・・・。」


「ほんとに離して欲しいの?」


離して欲しくない。

けど、ご飯作んなきゃ・・・フレンチトースト、焦げちゃう・・・。


「焦げちゃ、うから・・・。」


「そこでいちゃつかないで。俺らどうしたらいいの?」


「健介さん、助けて・・・。」


「へぇ、今、違う男の名前呼ぶんだ?」


どうしよう・・・流司さんに火付いちゃった。


「いっ・・・!」


首筋を強く噛まれて、鋭い痛みが走った。


「焦げちゃう・・・!」


すると彼は、コンロに手を伸ばして、火を消した。


どうする気?

ご飯は?


「これで、焦げる心配はないね。」


弾んだ声で、いたずらっ子のように言う彼は、可愛いけど、みんながいる前だと、少しやだ。


そんなところも、私だけに見せて・・・。


醜い独占欲がまた顔を出す。


「やだ、みんないなくなってから・・・。」


「俺は今したいんだけど、我慢するよ。心羽が嫌なんなら。」


そう言って、名残惜そうに私から離れる。


ダメ、好き。


「ごめんね・・・。」


彼の首元に顔をスリスリした。


「やめて。そんなことすると、今すぐ襲っちゃうよ?」


「だから、お前ら!やめろって!」


「今、やめるよっ!!」


痺れを切らした大地さんが非難してきたので、流司さんが少し怒って答える。


彼がみんなのところに戻っていったので、料理の手を進めた。


フレンチトーストを人数分焼き終わり、鮭ももう少しで出来る。


「流司さん、運んでー!」


運び安いように、お盆に乗せておく。


「えー。」


「運んで。」


渋々立ち上がって、お盆を運んでくれた。


みんなに運び終わり、最後に私と流司さんの分を持って行く。


「わぁ、美味しそう!」


「食べます?」


峻也さんがキラキラした目で、ご飯を見てくる。

可愛いなぁ、もう。


「でも、食欲ないからいいや。」


朝ご飯は食べた方がいいのになぁ。

でも、仕様がないか。

無理矢理、食べせるわけにもいかないし。


「流司さん、美味し?」


「さぁ?」


結局、いつも通りなのね。



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