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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第4章 Sugar4


ダメだ。
もうムリ。


“好きだ、バカー!!“


もう、どうしようもなくなって、耐えられなくて・・・そんな言葉をメッセージアプリで彼に送った。


私の言葉を聞いて欲しい。

あの時言えなかった本音を。全部、全部・・・。


すぐに既読は付いて、“朝っぱらからなに?うっさい“そう返ってくる。


絵文字も顔文字もない簡素な文。彼らしい。


いつもの彼がそこにいて、また好きが溢れ出る。


“今日、お仕事ですか?“


いつも通りに出来ない自分が憎い。


“オフ“


彼はこんなにもいつも通りなのに・・・。


てか、オフだと?
私もだ。


“少しだけ、流司さん家に行ってもいいでしょうか?“


“いいけどさ、敬語やめてよ。ムカつくから“


“すぐ行きます!!“


“だから、敬語“


既読を付けて、すぐに準備をした。


1ヶ月も経ってるのに、今さら駄々こねたって、バカみたいだけどさ、まだ足掻かせて。
終わりたくないの。


私の家から彼の家はそう遠くない。
歩いて行ける距離だ。

じゃあなんで、一緒に住んでたんだってね。
ずっと一緒にいたかったから・・・。


少しだけオシャレをして、スカートを履いた。膝丈の。

動く度に、シフォンの生地のスカートがふんわりと揺れる。


せっかくオシャレをしてるのに、全力で走った。


スカートが捲れて、太腿が見えてるのなんて、気にしてられない。

1秒でも早く彼に会いたい・・・。


彼の部屋の前について、チャイムを鳴らした。


「はぁ・・・「大好き!」い・・・?」


返事して出てくる彼の言葉に被せて、叫ぶ。


固まって驚く彼に、飛び付いて、


「大好きなのっ!やなのっ!一緒にいたいっ・・・。」


必死に懇願する。


自分でも何をしてるのかわからない。
身体が、口が、勝手に動いた。


彼は、抱きついたままの私をそっと中に引き連れて、玄関の扉を閉めた。


私の頭にそっと手を触れて、彼は・・・


「ごめん・・・。」


と、一言だけ呟いた。


そんな言葉が欲しいんじゃない。


困らせたくもない。





お願いだから・・・奇跡、起きて・・・。





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