第8章 Sugar8
「ばぁか。」
「いっ・・・!」
昨日血が出たとこに、噛み付かれた。
「なに告られてんだよ。振った男のことなんか考えんな。俺のことだけ考えてろ。」
紅く染められた唇から発せられるのは、嫉妬の言葉。
余計涙が溢れてくる。
気になる人が出来たっていうのは、結局嘘なの?ホントなの?
「なにそれっ、意味わかんないっ・・・!」
噛み付くようにキスをして、彼の唇に付いた血を綺麗に舐めとった。
「全部ウソ。気になるやつなんて出来てねぇよ。」
今度は優しく笑いながら、涙をすくってくれた。
「もう・・・流司さんなんて・・・流司さんなんてっ・・・。」
「俺なんて?」
「大好きっ・・・!」
「ふっ、知ってる。」
瞼に優しく口付けを落とされる。
「なんで、気になる人出来たなんてウソ付いたの?」
「麻璃央くんに告られた上に、号泣して何回も謝ったって言うじゃん?ずっとそのことばっか考えてたしさ。それって俺に酷くない?」
だって麻璃央さんは、大切な仲間だよ?
傷付いて欲しくもない。
結局、どうしても私の答えは決まってるから、傷付けちゃうけど・・・。
「告られて麻璃央くんのこと好きなっちゃったとか思うじゃん?だから、俺と同じ気持ち味合わせた。」
「酷い・・・流司さんって、ツンデレじゃなくて、ヤンデレだったの?」
てゆうか、私は流司さんに信じてもらえてなかったの?
「かもな。でも、どんな俺でも好きなんでしょ?」
「・・・例え、私のことを嫌いになって、他の人のこと好きになっても、好きだよ。」
「お前の方がヤンデレだったりして?」
大丈夫、殺したい程好きとかっていう気持ちはないから。
殺したくない。
ずっと一緒に生きていたい。
てか、本気で好きなんだから、どんな状況になっても好きでいるのは、普通じゃない?
ふと、彼の顔が少し赤くて、目が熱を含んでるのに気付いた。
彼のものが私の下で、固くなってる。
「ごめんなさい・・・今日はしたくない・・・。」
彼の肩におでこを乗せ、呟く。
「いいよ、気にしないで。お前が擦ったせいだから。」
いや、言い方。
めっちゃ気にするじゃん。
びくっと肩を震わせると、
「ごめん、大丈夫。」
と、八重歯を見せて笑う。