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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第8章 Sugar8


「私とはもう、えっちしたくない?」


「こんな中途半端な気持ちで出来るわけない。お前のこと、傷付けるだけだから。」


彼も、どこまでも優しい人。


いつもぶっきらぼうで意地悪だけど、どんな時だって、私に優しさをくれた。


そんな貴方を好きじゃなくなる日が来ることなんてない。


彼が彼女を好きになるまで、足掻き続けよう。


流司さんが大好きだから・・・。


「挿れたりしないから、触っていい・・・?」


彼のスウェットのゴムに手をかけた。


すると、私の手を掴んで、


「ダメ、挿れたくなる。」


と言って、私を拒む。


したくないからでしょ・・・?


彼女としたいの?


「その人としたい?」


「わからない。ただ、俺のこと見ればいいのにって思う。」


本気なんだ。


彼はきっともう、彼女のことを好きになってる。

流司さんが気付いてないだけ。


やだ・・・彼が気付く前に、繋ぎ止めておかなきゃ・・・。


これ以上彼を愛することなんて出来ない。

もう、これ以上ないくらい愛してるから。


泣いて縋るだけじゃダメだ。

それじゃあただ、彼を困らせるだけ。


「なんか私にして欲しいことある?なんでもするから。」


「傍にいて。自分の気持ちが知りたい。お前のこと、まだ好きなのかどうか。」


私のこと好きかどうかもわからないくらい、その人が気になるの?


私の隣に座り直して、手を握る。


甘い時間のはずなのに、苦しくてたまらない。

ただ、じっとなんてしてられない。


彼の膝の上に向かい合って座り、彼のものと私のを密着させた。


擦るように腰を動かして、キスを求めるように、ほっぺに手を添えた。


「んっ・・・。」


少し声を漏らしながら、彼を見つめる。


私を止めるように腰を掴み、キスを拒むように顔を背ける。


もうダメだ・・・。

我慢出来ない。


溢れ出すように、涙が流れる。


「やだよっ、他の人なんか見ないでっ・・・私だけを見てよっ・・・!」


「・・・。」


彼は顔を背けたまま、反応しない。


その彼の態度が余計私を、追い込ませる。


「ばか・・・ばかばかばかぁ・・・!」


彼の胸を全力で叩いた。


「痛てぇよ、バカ。」


私の腕を掴み、こちらを見て、意地悪に笑った。








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