第1章 真っ白な世界で
自慢げに言うカグラさんにため息をつく。
「う〜ん?また先輩の事をディスるのかな?」
ほっぺをツンツンとしてくるカグラさんの頭を叩こうとおもったがカグラさんの頭の位置が高くて届かない。
今更ながらカグラさんと私の身長差は20センチくらいある。
私の身長は160センチと別に低くはないのだがカグラさんが無駄にでかく180センチはあると思われる。
仕方がないので仕返しにほっぺを思いっきりつねる。
「痛い〜!ごめん、ごめんもうしないからはなしてウタちゃ〜ん!」
ほっぺをつねっている手をカグラさんが「ギブギブ」といってタシタシする。
「仕事…入ったんですよね…行かなくていいんですか?」
「えぇー」と言ってなかなか仕事をしようとしないカグラさんを無理矢理追い出そうとする。
てかあれ?出口どこ?
「あはは〜ウタちゃん出口見当たらなくて困ってるでしょ〜」
そう言いニヤニヤしているカグラさん。
ホント腹立つ顔してますね。
「ホント腹立つ顔してますね。」
「え?ウタちゃんなんか聞こえるよ?」
「あはは、聞こえちゃいました?心の声隠したつもりなんですけど…」
「隠しきれてない!隠しきれてない!」
「ホントひどいなぁ〜」と対してヒドイと思ってなさそうに言うカグラさん。
「ウタちゃんが構ってくれないから、仕事しますかぁ〜」
何言ってんだコイツは。
「…………ウタちゃん今すごい顔してるよ☆」
「無駄に☆とばしてる暇があるなら早く行ってください。」
「冷たいなぁ〜」
そう言いながらカグラさんはいつのまにか現れたドアノブに手をかけていた。
「あっ、そうだ!ウタちゃんの部屋ねぇ〜あそこにある部屋がウタちゃんの部屋だから自由に使って!」
そう言われカグラさんが指差す方を見るとそこには、ドアがあった。
試しに開けてみる。
…うん、まぁ。なんとも言えない。
部屋にはベッドと机が置いてあるだけだった。
「まぁ今はそんな感じだけど、自分で好きな家具とか置いていいよ〜ん☆それじゃ〜また後でねぇ〜☆」
それだけ言うとカグラさんは出て行ってしまった。
と同時にドアが消えた。
本当にどうなっているのか理解が出来ず私の頭はショート寸前だ。
考えても余計に疲れるだけだと悟りベッドに倒れこんだ。