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君と並んで歩く未来

第2章 神の舌


「お前の様な低俗な民は書類審査だけで落とされるだろぐえぇっ」
二階堂の言葉は本人の呻き声で途切れた。呻き声の正体は創真が彼の襟元を掴みあげていたからだ
「…ゆきひらで食ったこともねーくせにウチの格を決めつけんじゃねぇっ…!」
創真が動くのは見ていたため分かってはいたが、わざと止めなかった。表情は差ほど変わっていないが瀬凪も気分は害していた
ボディーガードに止められて事態は収束したが根本的な問題は変わっていないし、彼が言っていた書類審査の時点で落とされるというのは正直的を得ているだろう。瀬凪は顎に手を当てこれからの事に考えを投じていた。せめて実力で判断してくれる審査員なら良いが、と

「(………一体どんな人が審査をするのでしょうか__)」

「本日の編入試験を一任されました薙切えりなと申します」

試験会場について、審査員を待っていれば、現われたのは制服姿の美しい少女。表情には出さないが動揺した瀬凪は話を聞き逃してしまっていた。するといきなり周りにいた自分たちと同じ編入試験を受ける生徒達が走り出した。これには意識が飛んでいた瀬凪も正気に戻り驚いた。訳が分からないのは彼女だけでなく創真もなのか先程自分を蹴り飛ばした二階堂の肩を掴み引き止めた
「オイ待てっ!なんで逃げんだよ!?」
その最もな言葉に怯えながらもギョッとしたような表情で説明する
「おまえっ…まさかあのお方を知らないのか!?」
心底信じられないものを見るような目で創真達をみる二階堂
「彼女は中等部からの内部進学合格者!」
「それで?」
「『遠月十傑評議会』という学園の最高決定機関に史上最年少で名を連ねた天才だ!!」
「だから?」
「彼女は」

人類最高の神の味覚の持ち主…!

彼女は幼少期から日本中の有名店に味見役を依頼されてきた

料理会の重鎮たちは皆薙切えりなの顧客なんだ!

彼女が下した評価は業界全体に知れ渡る

もしも…もしも彼女に不出来な品を出してしまい「才能無し」と烙印を押されでもしたらもう業界では生きていけなくなる……

「料理人としての人生が閉ざされるってことなんだよぉー!!」
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