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小話【気象系BL短編集】

第18章 どちらだったか



side.A


ホントに年上なのかなって感じで笑ってる。
その顔好きだしさぁ、それは良いんだよ。問題は、言ってるコトだよね。
良いけどね、オレにやましい気持ちがあるだけだし。


「おーちゃん、水のむ?」


一瞬ぽかんとして、またふにゃんと笑った。
聞いてないなぁ、これ。
さっきから楽しそうで何よりだけど、オレそんなに優しくないし。

好き。大好き。会えて良かった、ありがと、好き。

そうやって呪文みたいに言うコトに、勝手にドキドキしてるんだよ。
食べちゃったりしてないし、よく耐えてると思うんだけど。


「ふふー……相葉ちゃん、すき。すげぇ好きなの、ふふっ」

「オレも好きだよ」


ラブの方、とは言えない。
多分ひかれるし、困らせるし、嫌われたくない。
向かいに座るリーダーが、手を伸ばしてくる。髪を触って、やっぱり笑う。
生殺しってヤツだ。



「ね、相葉ちゃん。好きだよ?」

「………うん」


急にマジメな声で言うとか、何かそれズルい。
どう返事をしたら良いか分からないから、オレばっかり考えてる。

その好きって、どっち?オレと同じ?


「オレも、好きだよ」


リーダーがへぇって呟いて、その声にぞくってした。
イイなぁって思いながら笑っちゃったから、もう、よく分かんない。
だけど、楽しそうにオレの頬を触ったから。その手を掴んで言うんだ。


「うち、来る?」

「行く」


さっきまでが嘘みたいな顔で、リーダーはキレイに笑う。
酔ってるんじゃないの?酔ってなかったの?
どうしてだろうね。
あなたのことが好きすぎて、何だかこわいよ。



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