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【YOI】君と、お前と、バンケで。【男主&ユーリ】

第2章 先輩の俺


唇に触れたものの正体に、礼之は驚愕とその他の感情に大きく目を見開いた。
軽く唇を挟むようなキスをした後、ややぶっきらぼうに礼之から顔を背けたユーリは、これ以上ないという程全身を真っ赤にさせていた。
GPSでバンケを抜け出したホテルのガーデンでも今より濃密なキスをしていたのに、あの時以上にユーリの心臓は、早鐘のように鳴り続けているのだ。
そんなみっともない自分をこれ以上見られたくなくて、咄嗟にその場から逃げようとしたが、すかさず伸ばされた礼之の手が、ユーリの身体を抱き寄せて来る。
「今のが、君の返事だと思って良いの?」
「…っ」
「答えてよ。お願い」
「ンなの…お前日本人なんだから、言葉にしなくても判るだろ」
「さっきから、言ってる事が無茶苦茶だよ。ユリが答えてくれないなら、僕都合の良い方に取っちゃうよ?」
耳朶に軽く唇を寄せながら囁いてくる礼之に、ユーリは身を竦ませたが、しかし離れる事なく彼の肩口に自分の頭を半ば押し付けるように預けた。
否や、礼之の腕が更にきつくユーリの身体に絡まり、多少の息苦しさを覚えたユーリは抗議の声を上げようとしたが、礼之の瞳が涙で潤んでいるのを見止めると、思わず口をつぐんだ。
「…どうしたんだよ」
「だって…僕は大好きな君に酷い態度を取って、最悪嫌われても仕方ないって考えてたのに…ユリは、そんな僕に一番欲しい返事をくれたから、余計に嬉しくてホッとしちゃって…」
自分を抱きしめたまま声と肩を震わせている礼之に、ユーリは奇妙な安堵感を覚えていた。
相手の事で悩んだり動揺しているのは、自分だけではなかったのだ。
かつての幼過ぎた淡い想いとはまるで異なる感情を、今ユーリは礼之に抱いている。
初恋を終わらせたキスとは違う礼之とのそれは、回数を重ねる毎に増々相手への気持ちが募るのだ。
「男がいつまでもメソメソすんな。こんなトコまで日本の先輩に似る事ぁねぇだろ」
礼之の背を叩くと、ユーリは友人に似た不器用な笑みを浮かべる。
軽く周囲を伺った後で2人は視線を交し合うと、今度こそ互いを求めるように唇を重ねた。
「…何だか僕、今物凄く浮かれてるかも知れない」
「安心しろ、お前が調子に乗ったら即シメるから」
「ちぇっ、厳しいなあ」
「そりゃ先輩だからな」
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