第18章 いつまでも
〜華美side〜
「早いなあ」
眞由美がぼそっと呟く。
「…何が?」
「卒業だよ卒業!この前入学したばっかなのに…」
「そう、だね」
卒業…か…
早いなあとしみじみ思う。
「3年間で色恋沙汰は1つもなし、と…」
「悲しいかな…」
ぶつぶつと呟く眞由美を横目に、私は犬夜くんのことを考えていた。
私はもうすぐ卒業するけど、犬夜くんはまだ高校生なんだよね。
「はぁ…」
思わずため息が漏れる。
「うわ、珍しい…なんかあったの?」
眞由美が親切にも質問してくれるが、私は特に何も無いと答えた。