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駄犬になつかれて

第15章 巷で話題のクリスマス


〜華美side〜

街はこの時期になるとよく聴く音楽が流れている。

くしゅっ

小さなくしゃみをすると

「華美さん?風邪ですか?」

と心配してくれる犬夜くん。

あの花火大会の日から、犬夜くんはずっと私のことを"華美さん"と呼んでくれている。

「ううん、全然大丈夫だよー」

「そうですか?まぁ、寒いですし、一応 風邪をひかないように このマフラー付けといてください」

そう言って、犬夜くんは私の首にマフラーを巻いた。

「えっ、いいのに」

「よくありません」

「っ。ありがとう…」

「どういたしまして」

私は犬夜くんに、頭をポンポンと撫でられる。

「…もうすぐでクリスマスですね〜」

「そうだね」

「クリスマスプレゼント何がいいですか?」

珍しく率直に訊いてくる犬夜くん。

「んー?別になんでもいいよー?」

「ホントですか?」

「うん」

犬夜くんからのクリスマスプレゼントはなんでも嬉しい。

「そうですか、わかりました!」

「期待しとくねー」

「はいっ!」

「じゃ、ここで」

「はい!華美さん、また明日です〜」

ブンブンと手を振ってくれる犬夜くん。

それに応えようと、私も手を振る。

「よし。」

私は急いで家に帰る。

クリスマス前の今、私は犬夜くんへのプレゼントを作るのに、忙しいのだ。

今までずっと、犬夜くんからいろいろ貰ったけれど、私から何かするというのはほとんどなかった。

だからこそ、このクリスマスに間に合わせて、プレゼントしたいのである。

「あっ。」

私は、犬夜くんからマフラーを借りたままだったことに気がついた。
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