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駄犬になつかれて

第13章 名前


〜華美side〜

「じゃあね、犬夜くん」

「はい!先輩、またあとで!」

下駄箱のところで犬夜くんと別れる。
デートもあって、楽しかった夏休みも終わり、学校が始まった。

しばらくして、眞由美がやってきた。

「おっはー!華美!」

「おはよー!」

そのまま2人で教室へ向かった。

「今日もいちゃついてたんでしょー?」

ニヤニヤしながら言ってくる。

「い、いつも通りだよ…」

「くうぅぅぅう!リア充め!コノヤロー!」

悔しがる眞由美をよそに私は席につく。

「そういえばさ、華美って普段、旭野くんに"先輩"って呼ばれてるよねぇ〜」

そう言うと眞由美は

「二人っきりのときは下の名前?もしかして、あだ名?」

とテンションを上げて続けた。

「そう言われてみれば…ずっと"先輩"呼びだなぁ…」

「え、嘘でしょ!?」

「ほんとほんと」

「いやいやいや、え、名前呼ばれたくないの…??」

うーんと考えてから、私は答える。

「…呼ばれたいけど、そんな、うーん…でもなぁ…」

「呼ばれたいんじゃん」

「うん、まぁそう、だね…」

「よし、じゃあ、呼んでもらおう作戦だっ!」

眞由美はガッツポーズをしながらそう言った。

「呼んでもらおう作戦…?」

「そうそう!」

「例えば?」

「うーん、例えば、自分のことを私ではなく、華美って言ってみたり?とか?」

「さすがに無理がありませんか…」

「じゃあいっそのこと、"私のこと華美って呼んでほしいな♡"って上目遣いで言っちゃえ」

「…だ」

「え?なんて?」

「それだ!」

私は思わず立ち上がる。

「それなら呼んでくれるかもしれない!」

「え、あ、そ…う?」

「ありがとう、眞由美!」

「え、あ、う、うん…」
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