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おかえり〜I'm home〜(R18)

第17章 Autumn memory③





ーーー・・・


その後も私は魔法にかかったまま、及川さんと楽しく過ごす事が出来た。

辺りは暗くなって、夜のパレードの後、
お城に綺麗な映像を映し出すプロジェクションマッピングのショーを見終わった私の隣で、案の定及川さんは号泣していた。

涙脆いもんね。私も綺麗な映像に鳥肌が立ったり、うるうるした場面もあったけど、及川さんの鼻を啜る音が聞こえるとちょっと笑えてきちゃった。

「及川さん、はい」

と、ティッシュを差し出すと豪快に鼻をかむ及川さん。わーお。

まだ濡れたまつ毛が綺麗だなぁ。

及川さんは一通り鼻をかんで落ち着いてから私を見た。

「綺麗だったね・・・」

「うん。最後のシーンとかもう俺涙止まんなかったよ」

・・・知ってます。

「ほんと、良かったなぁ野獣のやつ。いつまでも幸せになれよって感じ」

「ふふ、そうだね・・・」


大好きな所で、大好きな人と、大好きなキャラクターの服装で、沢山楽しい時間を過ごせた。

幸せな一日だったと感じた私は、自然とその言葉を口にした。


「・・・本当にありがとう、及川さん。すっごく、楽しかったよ」

一生の思い出になった。きっと暫くは余韻が消えないだろうな。

及川さんはどこか真剣に私の方を向いた。

「りお、本当に楽しかった?」

「うん・・・」

「本当の本当?」

「ふふ、ほんとのほんと。」


どこか探るように尋ねる及川さんがちょっと可愛くて、私は頷いた。

すると、及川さんはふにゃんと目尻を下げて・・・


「・・・良かった」

安心するようにそう呟いた。

沢山沢山、今回の旅行のことを考えて計画してくれたんだろうな。私が楽しんでくれるように・・・私のことをお母さんから聞いたり・・・そう考えるだけで、彼が愛しくなった。

もう一度彼にありがとうを告げて、今度は私から手を繋いだ。

触れ合った手の温もりを感じたくて、指を絡める。

及川さんは静かに・・・私の頭を撫でてくれた・・・ーーー



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