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おかえり〜I'm home〜(R18)

第10章 summer memory⑤





鍛えられた胸板が頬にピタリとつくくらい、きつく、きつく抱きすくめられる。


「ほんと馬鹿・・・。代役なんて、そんな悲しいこと言うなよ」

そう言葉を絞り出す及川さんの顔は、見なくてもわかる。

「馬鹿だもん。こんな馬鹿じゃないと・・・好きになんないでしょ、あんたのことなんて・・・」


及川さんは甘えるように、私の首元に唇を寄せた。


「・・・・・・っ・・・!」


熱い吐息が、肌を撫でる・・・
でも分かってる。彼の心は、まだあの女の人の所にあるってこと・・・


「りお・・・・・・」


彼は顔を上げて、私の額に自身の額をコツンと合わせた。


「嫌だったら・・・言って?」

「・・・うん・・・・・・」


布団の上に乗った手が、彼の手と重なる。


「今日だけ・・・今日だけでいいから・・・」

もう片方の手が、私の頬に触れる。

目、鼻、口・・・
確かめるように、
触れた箇所が熱を帯びる。



「俺を・・・受け入れてほしい」

弱りきったあなたに、私がしてあげられること・・・
なんでもするよ・・・


「うん・・・」


そうして、私たちは唇を重ねたーーー・・・


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