幼馴染ちゃんがNYから帰ってきたらマフィアになってた(仮)
第1章 プロローグ
-第3者side-
カラララララ…
カツン、カツン、カツン…
時刻は午前3:45。真冬の真夜中に響き渡るキャリーバッグを引く音とヒールの音。
ショーウィンドウに映るは、若い女の姿。
「なあ、姉ちゃん。こんな時間にそんな荷物もってどうした?」
「へえ、可愛いじゃんこの子」
『…』
彼女はただ静かに、白い息を吐く
「あれっ、怖くて声出ない?」
「かわいいじゃ〜ん」
『…寒い』
「え?」
彼女が呟いたその瞬間、男が一人、彼女ともう一人の男の視界から消える。
歯を2本ほど飛ばしながら。
「え、あ、」
『…私、寒いって言ったの。
…暖めてくれる?』
午前3:52。再び夜の街に鳴り響くヒールの音とキャリーバッグの音。
(寒い時こそ運動)
(男共がどうなったかは、彼女のみぞ知る)