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不完全な『アダムとイブ』

第8章 無神ユーマ


ーリビングー

「おっ。らんお前も起きてたのか?」

リビングに入るとユーマが居た

「うん。バラの手入れしてた」

「なるほどな。ご苦労さんー」

ユーマはそう言いながら果実が入ったカゴに手を伸ばす

「ほらっ!」
「わっ!」
ユーマに真っ赤な林檎を投げられた
「やるよ」
「ふふっ。ありがとう」
林檎を眺める
(ホントに上手につくるなぁ....)

「あ、そうだ。」

ユーマが立ち止まる

「?」

「ルキの奴、今日から学校行くってよ〜」
ユーマは微笑む

「そうなんだ!良かった....」
自然とホッとした顔になる

その顔をユーマがじっと見る

「?どうしたのユーマ?」
様子のおかしいユーマに問いかける

「あー....あのさ....アイツの事だけど....」

アイツ=ユイ
それはすぐ理解出来た

「ユイちゃんがどうかしたの?」

ユーマは、んー....と唸る
そして、頭を掻き
「あぁー....いや、やっぱ何でもないわ」

「?」

「じゃあ、また後でな〜」
ユーマは紛らわすように出ていった

「変なユーマ....」

ーーーーーーーーーーーーーー



扉の前....
ユーマは考えていた
だが、すぐに
ーはぁ....考えるとか悩むとか、らしくねぇな....
俺は俺が思うようにやればいーんだよな
ボスや仲間達の為にも....ー

昔の友人の顔を浮かべ
拳を強く握る



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