第18章 使命
風で花が揺れ
靡く髪を耳にかけたと同時に、唇に温かいものが触れる
「....ッ....」
気づくとシュウは私の目の前にいた
「....シュウ....」
彼はらんの唇から離れる
「お前と会ってから....
俺は多くの事に気付かされた。
もし、お前に出会ってなかったら、俺もエドガーとの事....過去に囚われたままだった
今までの俺ならこんな気持ち....だるいし、面倒だからで流してきた
でも、お前の為にならこの気持ちも暗い運命も受け入れる、そう思うようになった」
普段、あまり言葉にしない彼が素直に気持ちを告げる
「....だから、俺も全てを終わらせる。
本当の意味でお前の為に生きられるように」
「!....私の....ため....」
シュウの言葉に思わず涙が零れる
「何泣いてんだ」
微笑みながら、舌で涙を拭ってやる
「ッ....だって....」
今までずっと欲しかった言葉....
こんな私の為に....
シュウはそのまま口を塞ぐ
本当は彼は恐れている
また大切な物を失うかもしれない事に
けれど、シュウにはもう決心が出来ていた
「....必ず、お前をその鎖から開放してやる
だから、お前は絶対に死ぬなよ。
お前が居なくなったら俺は本当にただの屍だ」
「シュウ....ありがとう」
風で薔薇の花びらが舞う
「らん....
"愛してる"ーーーー
最後に1つ額に体温を感じた
風によって目を瞑る
しかし目を開けた時にはもう彼女は居なかった
闇の連鎖は再び歩み始める