第17章 逃亡
暗い森の奥ーーー
「結構遠くまで来たな」
家から随分と離れた場所まで無神兄弟とユイは来ていた
彼等はカールハインツから逃げおうせる事は簡単ではない事をよく知っているため、なるべく早く遠くへ行こうとしていた
だがユイは人間のため、彼女に負担がかからないように、配慮して進んでいた
「ユイ、大丈夫?」
コウは息を切らす彼女を気にかける
「うん....ちょっと疲れただけだから」
そんな彼女の様子を見て
前を歩くルキが足を止める
「どうしたの....?ルキ」
森の側に1つの家があるのを見つける
「今日はあそこに泊まろう」
その家はあまり使われた痕跡の無い小さな木の家だった
中には最低限の物は備わっており、ここで彼等は一夜を過ごすことにした
「ごめんね....みんな。急がなきゃいけないのに....」
ユイは人間である自分が足でまといになっていると自分を責める
「ユイのせいじゃないよ」
コウは手を握る
「コウの言う通りだよ....ユイさんは何も気にしなくていい」
アズサも優しく微笑む
しかし、ユイは自分の体調が優れない事を自覚していた…
そして、このままではまたみんなに迷惑をかけてしまうと焦る気持ちばかりが募っていた