第16章 代償
らんは階段を登っていた
放課後だからか校舎にはあまり人は居なかった
ーードクッ....!!
「ッ....!!」
突然胸を焼かれるような感覚に陥る
苦しくて息がしにくく、早く階段を登切ろうと手摺りに手を伸ばすが....
「あっ....」
立ちくらみと共に体は後ろに倒れる
思わず目を瞑り
衝撃を待つが....
ーーードサッ
「え....」
誰かの体に支えられる
柔らかい服からはなんだか、甘い匂いがした
「おい、大丈夫かよ!」
大きな手が私の体を掴む
「ユーマ....」
落ちそうなところを助けてくれたのはユーマだった
ユーマはらんの顔を見るなり....
「らん....どっか、悪いのか?」
彼女の顔色が優れない事を気にする
「大丈夫だよ。ありがとユーマ」
お礼を言い
階段の踊り場まで上がる
「おい、怪我してんじゃねーか」
彼女の足を見ると階段の端で切ったであろう傷が出来ていた
「大丈夫だよ。このくらい」
無理をする彼女にユーマは1つ溜め息をつき
彼女を抱え上げる
「わぁ!やめてよ、ユーマ!////恥ずかしい!///」
ユーマは軽々と持ち上げ、歩き出す
「お前、軽すぎだろ。ちゃんと食ってんのか?」
そんな言葉も耳に入らないくらいらんは暴れる
流石にこの体制はいろいろと恥ずかしい....
そんな彼女をよそに彼は階段を登っていく