• テキストサイズ

不完全な『アダムとイブ』

第15章 終焉の懐時計


保健室

ラインハルトは部屋の小さな窓から月を見ていた

ーーーガチャ

静まり返った部屋に扉を開ける音が響く
部屋に入ってきたのは....


「やぁ、こんばんは」

ラインハルトが振り返るとそこにいたのは自らの息子....

「逆巻シュウくん」

「........」

ラインハルトは笑顔でシュウに話しかけるがシュウからしてみると、それはどう見ても偽りの表情でしかなかった

「本当にこんなことしてたんだな

"親父"....」

ラインハルトは微笑を浮かべる

「やはり、お前は気づいていたか。流石は私の息子....」

先程とは口調も声も一変する

「あぁ。だから新学期が始まってから此処には来てない....ったく、本当に迷惑だ」

嫌われたものだなとカールハインツは呟く

「....そんなお前がわざわざ私に会いに来た理由はなんだ?」

どうせ気づいてんだろ....
と思いながらも口を開く

「無神のやつらを開放しろ。これ以上、お前のくだらない暇潰しにあいつらを巻き込むな」

カールハインツは睨みつけるシュウの目を見る

少なからず驚いた以前までのシュウなら他人の為に行動するような事はしなかった

「お前は知ったのだろう?隣星 らんについてもこの計画についても」

「あぁ」

「ならば、何故止める」

「もう、アイツは...らんはそんな事望んでないからだ
それくらいお前も知ってんだろ?」

今のらんは何よりも無神兄弟とユイを大切に思っている
自分達の計画で、みんなを悲しませて成功する夢なんて、彼女が望んでいるとは思えない

「あの娘も同じ事を言いに来たよ。計画を止めるべきだと

しかし、この計画は誰かの気分次第で止まるようなモノではない」

シュウは納得のいかない顔をする

「ふっ..随分と優しくなったものだな、シュウよ」

これも全てらんが居たからだろう

逆巻シュウと隣星 らんーー

不思議なものだな、今ではお前の娘と私の息子が通じ合おうとしている....

運命とは末恐ろしいものだ

誰にも予測出来ず、移ろい易い....

「シュウ。貴様に1つ教えてやろう」

「あぁ?」


シュウは扉の前で立ち止まる


ー隣星 らんは....もう時期

"死ぬ"ーーーーー

/ 241ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp