第13章 正体

コウとシュウがらんを探していると
前かららんを抱きかかえたルキが歩いてくる


「らん！」

「お前達....」

コウはらんの顔を覗き込み、
首筋の牙の跡を目にする

それを見てコウは状況を把握する

一方、シュウは....


「おい。何があった」

彼の顔は怒りに満ちていた

ルキはその顔を見て何かを判断し、
軽く溜め息をつく

「.......コウ」

コウは名前を呼ばれ、ハッとする

普通に返事をしそうになるが

今、ルキとはもめている事を思い出し

「なに？」
少し素っ気なく返事をする

「....ユイはどこにいる？」

ユイの名前を口にし、コウは少し不満気な顔をする

「スバルくんに頼んでるけど？
ルキくんには関係ないでしょ」

ルキはいつも通り、コウの皮肉を聞き流し、
コウの顔を見る

「....ユイの事は頼んだぞ」

「え？」

ルキはそう言ってシュウに近づく

「逆巻シュウ。お前に話がある。

全てを話そう....こいつもそれを望んでる....」

ルキはらんを抱きしめる力を強める

シュウもルキの目を見る

（コイツは....ふっ....そんなに妹が大切か....）

「あぁ。」

シュウはコイツなら信用出来るな

とそう思った