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不完全な『アダムとイブ』

第12章 無神アズサ『存在意義』


「そんで、泣いてたってわけか」

シュウはらんの話を聞き
思ったことを口にする

「でも、あの非力そうな奴がねぇ....
まぁ、俺には理解出来ないけど、
その傷がそんなに大事なのか」

「でも、その傷のせいでアズサは過去に囚われてる....
ルキ達も素直に言葉では言わないけど
アズサにそんな事で命を落として欲しくないの....」

この時、シュウは少し羨ましいと思った。
血は繋がっていないのに
そこまで、お互いを大切に思えるコイツらが

そして、コイツに大切に思われる無神の奴らが妬ましかった

「お前は、本当にあいつらの事が大事なんだな」

「当たり前だよ....みんな私の家族なの...ッ....だからアズサが....私の前から居なくなるなんて...」

泣きじゃくる私をシュウは抱きしめてくれた

「アイツなら....ユイならアズサを説得出来るのか?」

「わからない....けど、彼にとって彼女の存在は私達とは違うから....」

「俺はあいつにそんな事が出来るとは思えないけどな」

シュウは鼻で笑う

「....そんな事無いよ

彼女には、私達にはないものがある」

(ふぅーん....
でも、俺からしたらお前のほうがよっぽど、すげーと思うけど、、)

「まぁ、あんたがそう言うなら
あいつに賭けてみてもいいんじゃない?」

シュウは抱きしめる力を強くする

「大丈夫だ....きっと、悪いようにはならない」

慰めるように囁く

それはとても安心できた

「うん....」
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