Delicate love * pink *【気象系bl】
第2章 離れる、なんて。( S*J ver. )
なーんて、幸せな思考にはまっていたら。
翔くんがもぞもぞ動き出して。
どうしたんだろ。
トイレ行きたいのかな?
ふっと翔くんの方を見上げたら、こっちを向いて優しく微笑む顔とばっちり目が合う。
恥ずかしくて反射的に目を反らすと。
「なんだよ。反らすなよ。」
うつむいた顔をぐいっとあげられて。
強制的に上を向かされる。
俺を見つめる翔くんの目は。
あれ。
ちょっと、潤んでる?
「なあ。潤。」
いつになく真剣な声。
表情。
…なに、なんなの。
「な…に」
「おれ、さ。」
「…うん。」
「どう考えても、この先も、お前しかいないわけ。」
「…」
「だから、さ。」
「…」
「おおっぴらなことは、できなくてごめん、だけど。」
「…」
心臓が。
鳴りやまないよ。
翔くんが、
すうっと息を吸って。
ふうっと吐いて。
意を決したように、俺を見つめる。
赤くて、厚くて、柔らかい、
俺を幸せにしてくれる唇が、
俺のために言葉を紡ぐ。
「俺と。俺と、結婚してくれないか。」
涙が、溢れた。