第5章 ―天才的な甘党―
「ブン太君!これ調理実習で作ったマフィンなの!良かったら食べて!」
「あ、ずるーい!私のはね、シュークリーム!食べて食べて!」
自分の教室に帰ろうとしていると、扉の前で女子達がキャーキャー騒いでいた。
あれは丸井ブン太だ。いつも女子にお菓子やら貰ってる……。
丸井はお菓子貰ったらすぐなつくタイプだからなー。私もお菓子あげて有力な情報提供してもらおうかな……
いやいやいや。私お菓子作れないし、市販のお菓子買ってあげてもなんか嫌だし。お金がもったいない。
うーん、どうするか。
……うん。やっぱりストーキングしかないな!
と、いうことで昼休みの丸井の行動をストーキングしてみた。
「丸井くーん、これ新発売のチョコなんだ!余ってるからあげる!」
「お!ラッキー!サンキューな」
「あっ、丸井君!これ私が作ったクッキーなの!良かったら食べて?」
「サンキュー!」
…………。
「丸井くーん!これ調理実習で余ったショートケーキなんだ。食べて!」
「お、うまそー!サンキュー!」
モグモグ……。
こいつ四六時中貰い物食ってばっかだな!もうお腹膨れてるだろ……。丸井の胃袋は牛並みだな。
そういえば、丸井の体重は仁王と一緒だったな。そして身長は丸井の方が小さい……。
やばい。丸井が可哀想に思えてきた……。
私が哀れな視線を向けていると丸井は裏庭へと歩いていく。