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まだまだ青い白鳥たち

第6章 奪ってもいいか


7月の期末テストも終わり、もうすぐ夏休みに突入する。8月初旬にはインターハイ予選が始まるため、白鳥沢学園男子バレー部では毎年終業式が終わり次第、合宿所に移動するのが通例だった…らしいんだけど。


「…今年は男女合同合宿になった?」
「そ。鷲匠先生が女バレの練習を見てみた結果、なかなか育て甲斐があるとかなんとか思ったらしくて」


珍しくリーダー会議にちゃんと出席したリカコからとんでもない情報が入ってきた。合同…って大丈夫なんだろうか。女子マネージャーすらずっと拒んできた鷲匠先生なのに、そんなフワフワな感じでいいわけ…?女子マネージャー採用しちゃったからもう何でもアリなのか?


「私もサポートするからね」


高岡さんもいつの間にかうちのクラスに入ってきていて、会話に乗ってきた。


「男バレの方はインハイ選抜メンバー中心の練習になるから、一年生の手が結構あるの。女バレは一年生から三年生まで全員の強化合宿って聞いたから、色々手伝うわね」


正直とてもありがたい申し出だった。高等部に入って初めての合宿だし、一年生のサブリーダーとして色々頑張らなきゃと思っていたから、高岡さんの存在にすごく助けられる。


「高岡さん、ありがと。今回の合宿所ってどこか聞いてる?」
「今年から新しい合宿所にしたって聞いたわ。体育館が4つあって宿舎も広いんだけど、大人数だと格安で割り引いてくれるらしくて。だから合同になったのかしらね」


…有り得る。中等部の頃から行ってた合宿所はこじんまりしてて結構気に入ってたんだけど、そんな広い場所でのびのび練習するのも楽しそうだ。


「あ、でも本当に合同なのよ。全部」
「…え?」


高岡さんの言いたいことを察知した様子のリカコは顔をしかめて「嫌だ嫌だ」と口を尖らせた。


「宿舎が3階建てなんだけど、1階と3階が男子。女子は2階を使うことになってるの」
「同じ建物…」


天童くんとはアレからも順調に付き合っている。ただ、彼からのスキンシップはすごく減ったように思う。なんとなく寂しいような気がして、この合宿を機会にもっと仲良くなれたらいいな、なんてちょっと考えてしまった。
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