第2章 制服の羽根(月島)
そして彼女はモテる。
とにかくモテる。
それは老若男女を問わずに、ものすごくモテる。
ルックス良し成績良しの彼女はモテて当たり前なのかもしれないが、それにしても驚くほどモテる。
これだけのモテる人間なのにも関わらず誰からのやっかみもないというのが既におかしい。異常だと思う。
まずは女子。
これは朝昼放課後と彼女の周りに出来る女子の人だかりでわかる。
女子たちはとことん天使を甘やかし、やれお菓子をあげたりだの、進んでパシりになったりだの、荷物持ちになったりだの、余念がない。
何かにつけてひまりちゃんひまりちゃん、と彼女について回り、可愛い可愛いと褒めそやかす。
あの清水さんでもこうはならないんじゃないかというくらい、彼女は執拗に女子たちからもてはやされ、人気があった。
次に男子。
女子ほど露骨ではないが、天使は男子からも絶大な支持を得ている。
「てんしちゃん」とあだ名をつけ、女子に弾かれながらも必死で食らいつき彼女へと群がる様は哀れを通り越して狂気を感じる。
天使の持ち物は男子によってよく盗まれ、さらには隠し撮りが高値で転売されるという犯罪スレスレのストーキングが日夜行われている。
てんしちゃんてんしちゃん、と天使を見る目がハートになっていた日には声に出して「うわ気持ち悪い」と思わず言ってしまったくらいだ。
まったく気持ち悪い。
あれは完全に犯罪者の目だった。