第2章 制服の羽根(月島)
あれは確か、インターハイの県予選終わりの夏だった。
始業チャイムが響く直前、わずか1分の出来事。
朝礼に合わせて席に戻るクラスメイト、その雑踏に紛れて僕は君を窓から見つけてしまった。
焦って校門からグラウンドへと走っている君を。
制服のスカートの裾を翻して、肩に掛けたスクールバッグを煩わしそうに揺らして、校庭を駆けていた。
時計に目をやれば、後30秒でチャイムが鳴る時間で。
あー遅刻か、なんてぽつっと思って。
そう言えば席替えで隣になったばかりの、、何サンだっけ。
ま、どうでもいいけど。
なんて思った、瞬間。
それは僅か5秒後の出来事だった。
ガラッと教室の扉が開いて、ホームルームか、と目をやれば、そこにいたのはさっき校庭を慌ただしく駆け抜けていた、君だった。
息を切らしてはあはあと言いながら、僕の隣の席に乱暴にカバンを置く。
_はあ??
思わず二度見した。
頭が混乱して追いつかない。
さっきまで校庭を走っていた君が、わずか5秒後に教室の扉を開けて滑り込みセーフ、なんて。