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sweet

第1章 第一章




仕事終わりの夕方…


彼に電話した



電話には出らんかった




転勤する前の会社に行ってみた



こっそり影から見てたら

薬指に指輪を付けて誰かと電話してた


「〇〇ちゃん、仕事終わったよー。何食べるー?」


にこやかに電話してた


あたしは、彼の目の前に立ち


『ふざけんなよ!!』


そう言った




彼は、分かったみたいで

「ごめん。」

それだけ言ってあたしの目の前から消えた





あたしは、行く宛もなくいつものbarにいった


いつも座る場所じゃなくて

一番隅の席に座った



マスター「あんちゃん?」

『いつものん…』

マスター「話したくなったら聞くからな」

『ありがとうございます…』



久しぶりに泣いた



グラスはすぐに空になった


何度も何度もお代わりした


マスター「もう辞めた方がええんちゃう?」

『いいねん…お金ならちゃんと持ってるから…』



溢れ出した涙は止まらんかった



しばらくして


マスター「はい。これあっちのお客さんから」


『え?』


マスターに言われた方を見たら

最近よく店で会う人が居てた



『ありがとう…ございます…』


マスター「あの人も長い常連さんでな」


『そうなんや…』


マスター「俺の彼女やと思ってたらしいわ」


『えー。無いのにな』


マスター「ほんまやで。で、ちなみに中身はジュース」


『え?』


マスター「見てられへんってことちゃうかな?」


『はい。これ飲んだら帰りますね』


マスター「うん。また明日おいで」




あたしは、グラスのジュースを飲み干した後

常連さんにお礼を言って店を出た





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